モノクロームの映画「一命」 [映画]
まるで歌舞伎の舞台を見ている様な演出は、新鮮なサムライ映画になっている。本編の大半を占めるグレイ調の映像はまるで舞台セットだ。一割もあろうか、血と「井伊の赤備え」の赤と、ほっとする紅葉の赤。そぼ降る雪の名誉の白。モノクローム調の映像を重ねての演出は、日本の映画美術/照明の素晴らしさだと思う。そして、海老蔵はさすが歌舞伎役者、長台詞は凄みがあって素晴らしい。何も無かったかの様な日常に戻してしまうラストシーンは人生の虚しさ其の物に感じられ、映画と言うのは観ないと解らないものだと改めて思い知ることになった。三池崇史監督、素晴らしい。私は2Dで観ました。
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